南の島の会社です。アグロハーモニー久米島

mo-no.1 琉球之御塩りゅうきゅうのみしお

できるまでの話

琉球之御塩は伊勢神宮へご奉納させていただくためだけに作られました。

ある時、私たちは知人から沖縄の塩屋さんを紹介されました。その塩屋さんの塩は本当においしく、加えて、伊勢神宮へご奉納されるという話がありました。
しかし、残念なことにその代表者の方はご自分で用意された塩工場を工場長に追い出され、塩が作れない状況になっていました。そこで、私たちアグロハーモニー久米島と関係者だけで協力してお金を出し合い、塩屋さんのために、ひいては伊勢神宮へ御奉納させて頂く塩のために新しく工場や設備を用意しました。

ところがあるとき、塩屋さんの代表は塩を作ったことがないことが分かり、これでは御奉納は許されないと考えた私たちは塩屋さんとの関係を絶ちました。
私たちには伊勢神宮に御奉納するためだけに用意した塩工場が残っていたため、神様に捧げるために塩作りをはじめました。塩の職人に教えを請い、必死に勉強し、ようやく塩が完成しました。そして、ありがたいことにその塩は伊勢神宮に御奉納させて頂くことが許されました。

ですが、神様へ捧げるためだけにはじまった塩作りです。工場などへの投資でお金も底を突いてしまい、人も雇えず、原料さえ買えない時期が続きました。その中でも少しずつお金をため、ようやく塩が生産できるまでになって来ました。
人に騙され、お金はなくなり、一時は塩作りを断念しようと考えたこともありましたが、はじめたモノづくりをあきらめたくない一身で、ようやく何とかここまでやってこれました。

そして、いよいよ本番になりました。塩を作る道ができた今、これからは皆様の評価を頂きながら、さらに塩作りに磨きを掛けて行きたいと考えています。

名前の由来

琉球之御塩に拝している「御塩」という名前は、伊勢神宮が神様への神饌物として製造されている御塩(みしお)の名前を頂戴したものです。

塩の特徴

現在、塩はたくさんの種類があります。その中で私たちの塩が並外れてすごいわけではありません。特別にすごい釜を用意したわけでもありませんし、燃料も普通に石油燃料を使用しています。

違いをあげるとすると、私たちの塩は海水をそのまま焚き上げる「海水直煮法」と呼ばれる原始的な製塩法を採用しています。最近の製塩法では、濃い塩水を作ってから煮詰める方法が主流であり、これは燃料の量や焚き上げるための釜のサイズを考えても非常に合理的な手法です。一方、海水直煮法は取水した海水をそのまま焚き上げるため非常に効率が悪く、全く採算が合わないと敬遠されています。私たちはその方法を採用し、さらに焚き上げる際の温度を上げすぎないよう細心の注意を払いながら塩作りを行うことで、甘みのある塩を実現しました。

お客様へ、塩を購入する際のアドバイス

私たち塩職人からのお願いです。

規制緩和により、たくさんの塩が世の中に出回っています。それらは皆、職人が大変な汗をかきながら必死に作り上げたものです。だからこそ、どれが一番すばらしいからという比較をして選ぶのではなく、私たちはお客様に合う塩をお選び頂きたいと考えています。
他社の塩を批判して、自分の塩だけを売りこもうとする人も中にはいらっしゃるようですが、同じ作り手である限りは塩職人同士も敬意を払う必要があると思います。仮に優越を付けたいのであれば、相手の批判をするのではなく、お客様の評価によって公平に判断されるべきです。塩はあくまで塩ですので、特別な塩があるわけではありません。作り方の違いによって味も違いますし、料理によっても選ぶ塩は異なります。一つの塩だけで全て事足りるわけではないということをご理解頂き、目的やお客様の好みによって塩を選ばれることをお勧め致します。塩職人からのお願いでした。

**ご注意下さい**

近頃、伊勢神宮の名前を語って商品の奉納を有償で行うという勧誘を受けた方からのご相談を受けましたが、伊勢神宮への御奉納は特別な費用を要することなくどなたでも許されますので、詳しくは神宮本庁に直接お問い合わせ頂くことをお勧め致します。
琉球之御塩につきましては伊勢神宮に御奉納するためだけに塩の製造をはじめ、操業後はじめて行った行事が伊勢神宮御奉納であったこともあり、御奉納時には伊勢神宮御奉納塩と銘打った専用のラベルを特別に用意し、その荷姿で御奉納が許されました。ただし、琉球之御塩の御奉納は伊勢神宮をブランド化・商品化するために行ったわけではなく、あくまで神様に捧げる水準でのモノづくりという考えが基本にあります。当初の目的を果たしたラベルにつきましても在庫が尽き次第変更する予定です。

伊勢神宮が推奨しているかのように偽って商品を高値で販売しているという話も耳にしますが、伊勢神宮が御奉納品の中から一部の商品だけを特別に推奨することは一切ございませんので、伊勢神宮を語る商法に騙されないよう消費者の皆様はくれぐれもご注意下さい。

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