ホーム > EMについて > EM資材

ここでは、EMの特徴について簡単に説明させて頂きます。

EM資材の分類

EM資材は色々と種類があってわかりにくいという声がありますので、一般的な種類をご紹介致します。

種類 説明
EM1 乳酸菌、酵母を基本とした複合微生物資材です。一般的に『EM』と呼ばれているのは本資材のことで、EM1の微生物を増殖させた液体がEM活性液、固形物がEMボカシといえます。
EM1には5科10属80余種の微生物が存在するという話を聞くこともありますが、今では核となる菌群が乳酸菌、酵母、光合成細菌とされています。
EM2 EMを構成する微生物を活用して有機物を発酵した液体です。植物活性資材としての役割が強く、微生物の機能を発現することを目的としていません。
EM3 光合成細菌を基本とした微生物資材です。
EM4 EMを構成する主要な微生物のうち乳酸菌を主に培養した資材です。それぞれの機能を合せたEM1が出てからはあまり使用されなくなりました。
EM5 自然農薬として活用されるストチュウ(原料は主に酢と焼酎)0にEMと糖蜜を組み合わせて発酵させた液体で、病害虫防除などに用いられます。
EM活性液 主にEM1を糖蜜などの餌で培養して増やした液体です。環境の健全化を図るために使用されます。
EMボカシ EM活性液のように液体中でEM菌を増やしたものではなく、米ぬかやふすまなどの粉上のもの餌にEMを繁殖させた資材です。微生物の菌床としてだけでなく、肥料の代わりにも使われます。

比 較

EMの基本は原液と活性液です。
微生物資材のEMといえばEM1(イーエム・ワン)です。これは乳酸菌や酵母等を複合培養したもので、EM資材の代表格と言えます。一方、活用する際はEMを増やしますが、これをEM活性液と呼びます。活性液というのは、EMの中の微生物に餌を与えて活性化させた液という意味です。

では、EM1とEM活性液の違いはどこにあるのでしょうか?違いについて説明致します。

EM1
EM1は乳酸菌の種菌、酵母の種菌、それ以外の種菌も組み合わせて、複合化された微生物資材です。簡単に言うと、ごちゃ混ぜにして安定化させています。この安定化させる技術がノウハウとされています。特に、工夫がなされているのは、天然の素材を餌に使用している点といえます。EM1は微生物を増やすための原料的な役割があります。ですが、増やす人は専門のプロではなく消費者です。餌として使用される糖蜜等も、購入先によっては内容成分が異なるため、誰がどのように増やしても、増殖しやすいように作られています。

EM1は消費期限を長いことも特徴です。大量消費が見込める場合は、活性度の高いEM原液を消費者にどんどん供給した方が品質は安定します。ですが、微生物の菌数は早ければ3日でピークに達してしまい、後は徐々に減少していきます。高い活性を維持するためには、消費期限を短く定めなければなりません。通常は開封してから長期間使用し続けることもありますので、開封後も安定した状況を保つために、EM1はしっかりと熟成された状態で市場に流通しています。
では、熟成した状態とはどういった状態でしょうか?微生物は餌を与えると急激に増えていきますが、同種の微生物や共生関係にある微生物が環境を占有してしまうと、安定するために微生物数を自ら減らしていきます。大体1/1000程度まで減少し、EM1中には1ccあたり10,000個ぐらいのEMに関係する細菌しかいなくなります。そして、菌数がさらに減ったりするなどの環境に大きな変化が無い限りは、長期間保存しても活性化させることができるわけです。

EM活性液
EM活性液は、EM1の中の微生物を増やした液体です。高い菌密度の液体を作るために餌を投入して増殖を促すわけですが、菌を増やす理由は菌密度を高くして環境に投入することが一つと、摂餌能力を高めることが目的と言えます。摂餌は、餌に対する食いつきです。通常、自然界に投入された微生物は、そこに存在する有機物を食べつくそうとします。その結果が環境浄化といえるわけです。つまり、微生物は環境浄化をしようとしている訳ではなく、単に餌を食べているに過ぎません。ですが、鈍い活性の微生物は餌取り争いに負けてしまいますので、繁殖ができずに優位な立場を築けなくなくなってしまいます。そうすると、腐らせる微生物が優勢になれば、悪臭まみれの環境になってしまうわけです。そこで微生物をがっついた状態にすることで、環境中に投入しても優位に立たせようとするために微生物を増殖させたのがEM活性液であって、活性化したときの菌数は1ccあたり1億個にも増えています。
ただし、EM活性液の中身も微生物なので、がっついた状態では長く持ちません。密度が高すぎるといずれ減少し、最終的にはEM1に近い菌数になります。これが使用期限が30〜45日程度と言われている理由です。それ以降の取り扱いは、ワインを連想してもらえれば良いのですが、ワインも寝かせ方次第では酢になってしまいますが、それ以降も酢としての活用はできます。EM活性液も同じで、長期間おいておいたEM活性液を捨てる必要は無く、EM菌を活性化したものとしては使用できませんが、液肥としてはご利用頂けます。ただし、保存状態が悪く、悪臭がする場合は、よいEM活性液が等量以上になるように混ぜ合わせて、土壌等に撒いてください。EM活性液はpHが非常に低く、この中では多くの微生物が殺菌されてしまいますので、等量以上混ぜ合わせておけば雑菌はほとんど死滅します。

EM1とEM活性液の違い
ここまでの説明を見ると、EM活性液はEM1と菌数が違うことが分かります。ですが、EM活性液がEM1に置き換えられるということはありません。EM1とEM活性液には大きな違いがあるのです。
それは微生物の質といえます。EM1は工場で厳正な管理の下、製造されていますが、EM活性液を増やすのは概ね現場のお客様です。EM1はお客様が増やすことを前提として、製造に手間と工夫を加えて製造されていますが、EM活性液は使いきりが前提条件となるため、簡単に増やすことができさえすればよく、EM1程の製造の手間は掛かりません。つまり、増やすために製造されたEM1と、使うために製造するEM活性液では質が全く異なるわけです。しかし、元はEMですので、EM活性液といえども、相違工夫次第ではEM1と同じような良質の活性液を製造することも可能でしょう。ただし、何を目的とするのかを考えることも重要です。当社は、EMの応用を推進する会社ですので、EM1に近いEM活性液を作ることよりも、効果の高いEM活性液を大量に使う方法を模索しています。それは、良質な農産物や加工品等の生産することが、最大の利益につながるものと考えてるからです。
EMを購入される皆様は、どのような目的でEMを活用するのかを考え、用法等をお選びください。